ダイヤモンドの品質を表す4C、およびダイヤモンドの鑑定書(グレーディングレポート)の読み方をご紹介します。ってそんなに大したものでもありませんが、ご参考までにどうぞ。

自分のダイヤモンドの品質は?鑑定書の読み方を解説

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ダイヤモンドの品質は「4C]と「蛍光性」というグレーディングシステムで決定されます。
このグレーディングシステムは、米国宝石学会(G.I.A)が開発したダイアモンドのグレーディングシステムで、現在の世界標準となっています。
聞いたことはあるけど、いったいどういうこと?
自分のダイヤモンドの品質は?
そんな方のために、ダイヤモンド鑑定書(グレーディングレポート)の読み方をご紹介します。

ダイヤモンドの鑑定書

高品質なダイヤモンドを購入すると必ずついてくるのがダイヤモンドの鑑定書。
鑑定書は、ダイヤモンドの品質を示す証明書として非常に重要なものです。
非常にハイグレードなダイヤモンドになると、鑑定書の有無で買取価格が大きく変わることもございます。

よく聞かれることですが、鑑定書と鑑別書、保証書は全く別物。
鑑定書にはダイヤモンドの品質を記載していますが、鑑別所はこの宝石が天然ダイヤモンドであるということのみが記載されています。また保証書はお店が品質を保証しているだけの書類であり、鑑別書・鑑定書としての効力は全くありません。

中央宝石研究所が発行するのダイヤモンド鑑定書

中央宝石研究所が発行するのダイヤモンド鑑定書

Shape/シェイプ(形状)

ダイヤモンドの形状にはいろいろな種類がありますが、もっとも有名なものは「ラウンドブリリアントカット」ではないでしょうか。

ラウンドブリリアントカットはダイヤモンドの美しさを最も引き出すことができるカットと言われており、婚約指輪などの一粒ダイヤ、パヴェセッティングのダイヤモンドジュエリーなど様々なシーンで使用されています。

ラウンドブリリアントカットの他にも、様々な形状のカットが存在します。

正方形のシンプルなプリンセスカット、可愛らしいハート形をしたハートシェイプ、楕円形をしたオーバルカット、洋ナシの形状に似ていることから名付けられ涙型をしているペアシェイプカットなど、これ以外にもたくさんのカットがあり、ファンシーカットと呼ばれています。
ファンシーカットのダイヤモンドは、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドに比べて、20〜50%ダウンの相場で取引されることが普通です。

ラウンドブリリアントカットのダイヤモンド
プリンセスカットのダイヤモンド
ハートシェイプのダイヤモンド
トリリアントカットのダイヤモンド
エメラルドカットのダイヤモンド
オーバルカットのダイヤモンド
ペアシェイプのダイヤモンド
マーキースカットのダイヤモンド

シングルカットとラウンドブリリアントカット

ラウンドシェイプのダイヤモンドですが、ラウンドブリリアントカットのほかに、よりシンプルなカットとしてシングルカットがあります。58面(57面)カットのラウンドブリリアントカットに比べ、17面(16面)カットのシングルカットは面の数が大幅に少なく、その分ギラギラとした輝きもありません。

輝きが少ないため、ジュエリーに使用されることはあまりありませんが、デザインを邪魔せずに引き立たせる脇役に最適なことから、ロレックスの文字盤のダイヤモンドにも使われています。

シングルカットのダイヤモンド
ラウンドブリリアントカットのダイヤモンド

オリジナルカットのダイヤモンド

オリジナリティを出して他のメーカーとの差別化を図るために、一部のダイヤモンドには様々なカットの工夫が見られます。例えば、特殊なカットを施して、ダイヤモンドを上から見たときに星やクロスなどの模様が見えるようになっていたり。輝きの他にも見た目で楽しませてくれます。

特にブライダル系に多く見られますが、これは売るときには逆効果なんです。。。
いわゆる特殊なダイヤモンドになるため、相場は低めとなってしまいます。

特殊カットされたダイヤモンド

テーブルの真ん中に十字架が見えるように特殊カットされたダイヤモンド
(通常は十字架は見えません)

ファンシーカットができる理由

ファンシーカットのダイヤモンドはラウンドブリリアントカットよりも安く取引されてしまうのなら、全部をラウンドブリリアントにしたらいいんじゃない!?と思われるかもしれませんが、ファンシーカットが生まれるにはそれ相応の理由があるんです。

それはダイヤモンドが生まれたときの原石の形です。
ダイヤモンドは高価ですから、少しでも原石を無駄にせずに、最大の利益を得れるようにしたいのが人間の心理。これを「歩留まり(ぶどまり)」といい、ダイヤモンドに限らず様々な宝石を研磨する時の基本となる考えです。

ランドブリリアントカットを作る原石はダイヤモンドの本来あるべき結晶の形、正八面体です。
ここからラウンドブリリアントカットのダイヤモンドは2つ作ることができます。

しかし、原石が平べったかったり、三角形だったり、正八面体以外で採掘されてしまった場合は、歩留まりを考えるとオーバルカットやトリリアントカットなどのファンシーシェイプにするのです。

ダイヤモンドの原石。左側が正八面体の結晶、右側は三角柱をスライスしたような形状です

Carat/カラット(重量)

4Cの中でも最も有名なのが、カラットではないでしょうか。
「カラット」=「ダイヤモンドの大きさ」と思われている方も多いと思いますが、カラットとは、宝石の重量のことで、1カラット=0.2gで計算されます。

一般にカラットが大きいほど、ダイヤモンドの見た目も大きくなります。
当然、カラットは大きいほうが相場は高くなります。

ダイヤモンドの原価はカラット数に比例するのではなく、カラットに対して指数関数的に増えていきます。
例えば、Fカラー、VS1、VG、蛍光なしで比較すると、買取価格はおおむねこんな感じになります。(2022年3月現在)

0.20カラット22,000円
0.30カラット45,000円
0.40カラット68,000円
0.50カラット125,000円
0.70カラット270,000円
0.90カラット450,000円
1.000カラット750,000円

Color/カラー(色範囲)

カラーはダイヤモンドの品質を示す4Cの一つで「ダイヤモンドがどれだけ無色透明か」を示す指標です。

カラーはDが最高のグレードで、A、B、Cはありません。D→E→F→G...とだんだん色がついていき黄色っぽく(またはブラウンやグレー)なってきます。

D、E、Fカラーはカラーレスと言われ特にD、Eカラーは透き通った美しさがあり、相場が非常に高め。Gカラーからほんのりと黄色っぽさを感じるようになり、Jカラーくらいになると肉眼でも明らかに黄色っぽさを感じられるようになります。

と書くとやっぱりD〜Fじゃないとダメなの?と思うかもしれませんが、ご安心ください。
あの有名なティファニーでもHカラーを使うこともあるため、一般の方にはその差はほとんど分からないかもしれません。

カラーグレードの検査は、厳密には枠を外した裸石の状態で、暗室の中で行うのがルールです。
枠を付けていると、枠の色がダイヤモンドに移りこんでしまい、正しい色の判断ができないためです。
そのため、鑑定書の有無で買取価格が変わってしまうこともあるんです。

カラーグレード判定のマスターストーン

カラーグレードは慣れると見ただけである程度分かるようになりますが、やはり厳密な査定には基準となる石が必要です。その基準となる石をマスターストーンと言い、これを一つずつ専用の光源の下で比較して、カラーを特定していきます。

質屋マルカでは、0.3〜0.4カラット程度のマスターストーンと、1カラット水準の大きなマスターストーンの2種類を用意しています。これはダイヤモンドのサイズが大きくなると色の感じ方も異なってくるためです。

ダイヤモンドのマスターストーン

ダイヤモンドのカラーは本物のダイヤモンドと比べて判断します。

カラーダイヤモンド

カラーがD→E→F→...と下がっていくと、明確に色を感じるようになります。
特にNカラーを超えたあたりから明らかに色を感じるようになり、カラーにもVeryLightYellowのように色名が入るようになります。

普通のダイヤモンドは無色透明がベストですが、カラーダイヤモンドは色を楽しむものですから、その概念は逆転。色が濃く鮮やかなほど価値のあるダイヤモンドとなり、無色透明をはるかに凌駕する価値が生まれます。

例えば0.3カラットのD/FL/3EXという最高品質のダイヤモンドの買取価格はおよそ14万円ですが、同サイズの濃いピンクダイヤモンドだと買取価格が100万円を超えるものもございます。

カラーダイヤモンドには様々な色があり、黄色やブラウンのカラーダイヤモンドは比較的多く見られます。ピンクも価値が高いですが、それ以上に価値が高いされるのがレッド、ブル―、グリーンです。なかでもレッドダイヤモンドは最も価値が高いとされ、一般市場に出回ることはまずありません。

ピンクダイヤモンド

FancyPurplishPinkのピンクダイヤモンド。
カラー名にFancyが付くと価値がぐんと上がります。

Clarity/クラリティ(透明度)

クラリティはダイヤモンドの品質を示す4Cの一つで「ダイヤモンドにどれだけ内包物・表面特徴があるか」を示す指標です。

ダイヤモンドの内包物や表面特徴は、インクルージョンやブレミッシュと呼ばれ、一般的には「傷」と表現されます。実際は結晶のゆがみや割れ、他の鉱物を取り込んだもの、ダイヤモンドが焦げて黒くなったものなど様々。よく、「ダイヤモンドは使っているうちに傷が入った」と言われるお客様がいらっしゃいますが、それは勘違いですね。

数億年前に地球の内部で作り出されたダイヤモンドには、ほぼ全てにインクルージョンが存在します。
品質鑑定の際には、ダイヤモンドを顕微鏡やルーペで10倍に拡大して、このインクルージョンの数、位置、性質、色および形を考慮してクラリティグレードを決定します。

インクルージョンが多くなると光を反射を妨げる要因となりますので、ダイヤモンドの輝きが失われたり、濁ったように見えてしまいます。そのため、インクルージョンが少ない、または目立たないほど相場が高くなります。

クラリティはFL→IF→VVS1→VVS2→VS1→VS2→SI1→SI2→I1→I2→I3とグレードが下がっていきます。グレードが下がるにつれて以下のようにインクルージョンが大きく目立つようになる様子が分かります。

FL(Flowless)

フローレスと呼ばれ、ダイヤモンドの表面にも内部にもインクルージョンやブレミッシュが一切ないもの。クラリティの最高ランクで、非常に稀です。指輪などのジュエリーにすることはできませんので、封をしたケースで鑑定書と共に保管されます。

IF(Internally Flawless)

インターナリーフローレスと呼ばれ、フローレスに継ぐグレードです。ダイヤモンドの内部にはインクルージョンが一切ありませんが、表面にわずかにブレミッシュが見られます。フローレスに次いで流通量が少なく稀な品質ですが、ブライダルやハイブランドなどでは店頭に並ぶこともあります。

VVS1 / VVS2

一般流通のダイヤモンドの最高グレード。10倍に拡大した状態ではインクルージョンをほとんど見つけることができません。VVS1の場合はパビリオン側(裏側)からやっと見つけられるくらい、VVS2の場合はなんとか表面からインクルージョンを確認することができるレベルです。ジュエリーになっている場合は信頼できる鑑定書が無いとこのグレードの判断にはなりません。

VVSクラスのダイヤモンド

VVSクラスのダイヤモンドは内部にほとんど何も見えません。

VS1 / VS2

高品質なダイヤモンドに使われるグレードで、肉眼ではVVSとの違いはありません。10倍に拡大した状態でしっかり確認すればインクルージョンを確認できます。VS1ではちょっと頑張ればインクルージョンを確認できるレベル、VS2になるとインクルージョンは比較的見つけやすくなります。

VS1クラスのダイヤモンド

VS1クラスのダイヤモンド。
端っこに細かなフェザー(割れ)が見られます。

VS2クラスのダイヤモンド

VS2クラスのダイヤモンド。
細かなフェザー(割れ)が複数見られます

SI1 / SI2

一般的なダイヤモンドジュエリーに使われるグレードです。10倍に拡大するとすぐにインクルージョンを見つけることができます。SI1は美しさにそこまで影響を与えないインクルージョンがあり、SI2になるとフェザー(割れ)やカーボンインクルージョン(黒いインクルージョン)など美しさに影響を与えるインクルージョンが見られます。

SI1クラスのダイヤモンド

SI1クラスのダイヤモンド。
複数のカーボンインクルージョン(黒い点)が見られます。

SI2クラスのダイヤモンド

SI2クラスのダイヤモンド。
大き目で目立つカーボンインクルージョンやフェザーが見られます。

I1 / I2 / I3

肉眼でもインクルージョンを確認でき「傷などがあるダイヤモンド」と認識できるグレードです。
I2クラスになると濁ったり輝きが全くないダイヤモンドも出現し、宝飾品としては使用が困難になります。
I3クラスはほとんど市場には出回らず、工業用として使われることがほとんどです。

I1クラスのダイヤモンド

I1クラスのダイヤモンド。
複数の目立つインクルージョンがあり、肉眼でも見ることができます。

I2〜I3クラスのダイヤモンド

I2〜I3クラスのダイヤモンド。
ダイヤモンドとしての輝きはほとんどなく、大きくても価値はほとんどありません。

Cut/カット(形・仕上げ・対称性)

カットはダイヤモンドの品質を示す4Cの一つで「ダイヤモンドがどれだけ理想の形に近いかを」を示す指標です。

ダイヤモンドは採掘され原石から切り出された時点で、カラット、カラー、クラリティがほとんど決まってしまいますが、このカットグレードだけは、唯一人間の技術で生み出されます。
ダイヤモンドの輝きはほとんどがこのカットグレードに左右されるため、4Cの中で最も重要とされ、まさに職人の腕の見せ所なのです。

カットグレードはプロポーション(角度や比率などの形状)、ポリッシュ(仕上げの美しさ)、シンメトリー(対称性)の3つから成り立っており、このうち一番重要なのがプロポーションです。

理想的なプロポーションを持つダイヤモンドでは外から入った光のほとんどが内部反射します。
この輝きがとても美しく、人々を魅了するのです。

カットグレードは上からEXCELLENT(エクセレント)からPOOR(プア―)の5段階に分かれていて、それぞれのグレードには許容される角度や比率が細かく決められています。カットグレードが下がるにつれ、ダイヤモンドに入った光が背面に漏れてしまうため、結果として輝きのないダイヤモンドとなってしまいます。

なお、カットグレードはファンシーシェイプやカラーダイヤモンドでは表記されないのが普通です。

ダイヤモンドのカットグレード

エクセレントのさらに上「3EX」

ダイヤモンドのカットグレードを決める上で大切なプロポーション、ポリッシュ、シンメトリー。
一番大切なのはプロポーションで、ポリッシュやシンメトリーが少々甘くてもカットグレードがエクセレントとなります。

しかし、エクセレントに許容されるプロポーションを持ち、ポリッシュやシンメトリーも抜群の時には、エクセレントのさらに上の称号「3EX(トリプルエクセレント)」となります。

もちろんそれだけグレードの高いダイヤモンドですので、相場も通常のエクセレントよりも高くなります。

カットグレードの他にポリッシュやシンメトリーの項目も全てEXCELLENTになると3EXとなります。

ハート&アロー / ハート&キューピッド

シンメトリー(対称性)が非常に高いダイヤモンドの場合、内部のパターンに特殊な形が見えることがあります。上から見ると「矢」の形、裏から見ると「ハート」のような形に見えることから、ハート&アローと呼ばれています。
もちろん、グレードの高いダイヤモンドの証ですので、若干ですがプラス査定となります。

日本の中央宝石研究所はこれに「ハート&キューピッド」という名称を付けましたが、それが「恋のキューピッド」を連想させ、ブライダル業界でヒット。もちろん品質の良いダイヤモンドに間違いはありませんが、商用にも使われることもしばしばです。

ハート&アローのダイヤモンド

ハート&アロー(ハート&キューピッド)のダイヤモンド鑑定書にはこのような観察模様が掲載されることが普通です。

Fluorescence/フローレンス(蛍光性)

4Cには含まれていませんが、蛍光性はダイヤモンドの品質を示す重要な項目です。

ダイヤモンドはもともと紫外線に反応して光る性質を持っています。
これを蛍光性と言いますが、もちろん個体差があり、全く光らないものもあれば非常に強く光るものもあります。青く光るのが一般的ですが、中には黄緑色に光るものもあります。

紫外線に反応するということは、太陽光にも反応するということ。
蛍光性の強いダイヤモンドは太陽光の下では本来の輝きを失い、油ののったようなぬめっとした輝きになってしまいます。よくオイリーなどと表現されますが、まさにそんな感じ。

弱い場合はそれほど気にすることはありませんが、蛍光性が中程度(Medium Blue)になると相場は1〜2割ダウン、強(Strong Blue)になると2〜4割ダウン、非常に強く(Very Strong Blue)になると、3〜5割ほどダウンになってしまいます。(4Cグレードによりダウン幅が異なります)

ダイヤモンドを購入する際にはあまり説明される項目ではありませんが、知っておいて損はないですよ。

ダイヤモンドの蛍光性

蛍光性のないダイヤモンド(左)を蛍光性を持つダイヤモンド(右)を通常光源と紫外線の下で比較してみると、以下のようになります。蛍光性を持つダイヤモンドだけが強く青く光るのが分かります。

ダイヤモンドの蛍光性(通常光源下)

(通常光源下)

ダイヤモンドの蛍光性(紫外線の光源下)

(紫外線光源下)

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